Ser.87   メンデルスゾーン 交響曲第4番イ長調, Op. 90「イタリア」

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Mendelssohn Symphony No.4 “Italian” , Op.90

オルゴールの音色がとても好きです。

金属板を弾いて響かせる音色が素朴でとても魅力的です。

このオルゴールの音色を使って、クラシック音楽を古代の石造りの教会で壮麗に響かせるように奏でたら、「きっと美しいに違いない」、ということで作り始めました。

まさに天上の音色と呼ぶにふさわしくなったと思います。

今回は、メンデルスゾーンの交響曲第4番イ長調, Op. 90「イタリア」に挑戦しました。

単一のオルゴール音源を使用するのではなく、6種類の音源をブレンドして独自の音色を作り、広い音域をカバーしつつ、音色も輝くようにしています。

和音にすることによって迫力が増すだけでなく、音がさらに魅力的になっていると思います。

メンデルスゾーンの交響曲第4番「イタリア」は、彼が22歳から24歳の間に作曲した傑作で、彼のイタリア・ナポリでの旅行体験から深いインスピレーションを得て作られました。

メンデルスゾーンは音の「風景画家」とも呼ばれることがあります。この交響曲はその名に恥じない作品になっていると思います。特に、イタリアの明るい陽光と豊かな情景が音楽の中に生き生きと描かれており、聴く者を瞬時にその地へと連れて行く想像力を与えます。

初演は1833年5月13日にロンドンで、メンデルスゾーン自身の指揮によって行われ、大変な好評を博しました。しかし、彼はこの曲を改訂し続け、スコアを手放すことなく亡くなり、遺稿が発見されてから4年後に出版されました。

第1楽章:アレグロ・ヴィヴァーチェ

イタリアの明るい陽射しを感じさせます。この楽章全体を通して、メンデルスゾーンの特有の明朗で親しみやすいメロディが続き、聴く者に生き生きとした感動を与えます。

第2楽章:アンダンテ・コン・モート

荘重なメロディで始まります。全体として、深い詩情と哀愁が漂う楽章となっています。

第3楽章:コン・モート・モデラート

メヌエットともスケルツォとも書かれていない、独特の形式を持ち、流れるような主題が美しく展開されます。

第4楽章:サルタレロ、プレスト

サルタレロという当時イタリアで流行した舞曲をもとにした活発な楽章です。三連符を含むリズムが次々と展開され、熱狂的なエネルギーを放ちます。この楽章は短調で書かれていますが、イタリアの情熱的な舞踊のリズムが強調されており、終わりまで目が離せない展開が続きます。

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